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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

先駆的な好中球は生体内の遊走でクロマチンを放出する

Hannah M Isles;...; Philip M Elks(2021.7, eLife)[Pioneer neutrophils release chromatin within in vivo swarms]

 

理由

Twitterで流れてきて面白そうだったので

 

概要

好中球は、炎症領域に急速に集められる。これは、協調的な移動が集団を形成するような、好中球遊走と呼ばれる過程である。好中球遊走の初期段階が十分に理解されていない事実から、新しい生体モデルが必要であると言える。組織損傷モデルにおける内因性の好中球移動を研究するため、トランスジェニックゼブラフィッシュを用いることで、好中球遊走はゼブラフィッシュの免疫で保存された過程であり、必須の特徴を哺乳類系と共有することが示された。好中球遊走は初期に、個々の先駆的な好中球の周りに発生する。先駆的な好中球と初期遊走好中球によって細胞外細胞質の断片と核断片が大量に分泌されることが観察された。好中球細胞外トラップ(NETs)の必須要素を調べるために生体内外の方法を組み合わせて、これらの放出現象の要素と形態の詳細な特徴化と高解像度イメージングを行った。進行中の遊走内の好中球を追跡するための光子変換方法を用いて、遊走を開始する先駆好中球の細胞運命は細胞外クロマチン放出に関与することと、重要なNET要素ガスダーミン、好中球エラスターゼそしてミエロペルオキシダーゼが遊走過程に必要であることが示された。これらの発見を合わせると、先駆好中球による細胞要素の放出が、損傷組織の場所における好中球遊走の最初の段階であることが示された。

 

印象的な図

Fig1. 好中球遊走はゼブラフィッシュの炎症応答の一部として起こる

 

雑記

まだまだ知らないことがたくさんある