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ヒト食細胞の特定の脂質メディエーターサイン:微小粒子はマクロファージのエフェロサイトーシスと終息前メディエーターを刺激する

Jesmond Dalli and Charles N. Serhan(2012.10, Blood.)[Specific lipid mediator signatures of human phagocytes: microparticles stimulate macrophage efferocytosis and pro-resolving mediators]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

食細胞は急性炎症と宿主防御を指揮する。ここでは、好中球(PMN)、アポトーシス性PMNそしてマクロファージといった異なる食細胞をプロファイリングする脂質メディエーター(LM)の代謝リピドミクスを行った。エフェロサイトーシスは、レゾルビン(RvD1)、RvD2やRvE2を含めた特別な収束因子(SPM)の生合成を増加し、これらの因子はPMNの微小粒子によってさらに増加する。アポトーシス性PMNはプロスタグランジンE2、リポキシンB4、そしてRvE2を増加させる一方で、ザイモサン刺激性PMNは主にロイコトリエンB4と20-OH-ロイコトリエンB4に加え、リポキシンマーカー5,15-diHETEを示す。重水素ラベルした前駆体(d8-アラキドン酸, d5-エイコサペンタエン酸、そして d5-ドコサヘキサエン酸)を用いて、アポトーシス性PMNと微小粒子がエフェロサイトーシス中のSPMの生合成に寄与することが分かった。M2マクロファージはマレシン1を含むSPMと、M1より少量のロイコトリエンB4とプロスタグランジンを産生する。両方のマクロファージサブタイプに吸収されたアポトーシス性PMNは、それらのLM特性の調整を引き起こす。ロイコトリエンB4はM2で下方制御される一方で、リポキシンA4を含むSPMは増加する。逆に、M2マクロファージによるアポトーシス性PMNの取り込みは全体のLMを減少させる。これらの結果を合わせると、ヒトの食細胞と関連のサブ集団のLMサインプロファイルが確立された。さらに、急性炎症過程の明白な段階中の、特定の内因性LMの微小粒子制御と、ヒトの初期食作用の動的な変化の証拠が与えられた。

 

雑記