これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

方向性のある1細胞運命マッピングのためのCellRank

Lange, M.;...;Fabian J. T. (2022.1, Nature Methods)[CellRank for directed single-cell fate mapping.]

 

理由

研究会で紹介されてて面白そうだったので

 

概要

計算的軌道推定によって1細胞RNAシークエンシング実験由来の細胞状態ダイナミクスの再構成が可能になった。しかし軌跡推定には生物過程の方向性がわかっている必要があるため、正常な発生における分化している系への応用はかなり制限される。ここでは、その方向が不明な再生やリプログラミングと疾患を含む多様なシナリオにおいて1細胞の運命マッピングのためのCellRank (https://cellrank.org)を示す。この方法は細胞運命決定の緩やかかつ確率的な性質に加えて、速度ベクトルの不確実性を考慮して、軌跡推定の頑健性とRNA速度由来の方向情報を組み合わせる。膵臓発生データに基づいてCellRankは自動的に初期、中期、終期の集団を検出し、運命のポテンシャルを予測し、個々の系譜に沿った連続的な遺伝子発現傾向を可視化した。系譜追跡した細胞リプログラミングデータに適用すると、予測した運命可能性は正しくリプログラミング結果を回復させた。CellRankは既知でない中間細胞状態を含む、損傷後の肺再生中の新しい脱分化軌道も予測し、これは実験的に確認することができた。

 

印象的な図

拡張データFig.1 CellRankアルゴリズム

 

雑記

実験はしたくないけど、解析はやりたいね