バラの茎のトゲのパターニングとパターンの数理モデルの発見
Kazuaki Amikura, Hiroshi Ito(2019.10, bioRxiv)[Discovery of the prickle patterning on the stem of rose and the mathematical model of the pattern]
理由
Twitterで見て、面白い研究だなと思ったので
概要
生物の多くの発生パターンが、因子の拡散によって調整されていることが知られている。ここでは、拡散によって調節されると考えられる新しいパターニングを報告した。バラの茎の上にトゲはランダムに出現するように見えるが、"赤の女王"と呼ばれるカンパイの茎におけるトゲの位置のパターンを解読した。茎の表面における葉の位置と繋がる螺旋曲線に対して特定の角度位置で頻繁にトゲが生じていた。我々は、このパターンが生じる過程を説明するために、拡散に基づく数理モデルを提案した。モデルでは、トゲの発生を抑制する原基から拡散因子が存在すると仮定した。結果として、このモデルによってトゲのパターニングが生体標本で観察されるパターニングと類似していることが分かった。さらに、仮定した因子のモデルパラメーターを変えることで、他の植物種に見られるパターンを再現できた。この発見から、植物界におけるトゲのパターンは類似の拡散システムによって組織化されることが分かった。今後の研究によって、トゲ発生の分子メカニズムやトゲパターンの役割に関する様々な考えが出てくるだろう。
印象的な図
Fig1. ばらのトゲの写真とその分布のイラスト・グラフ
雑記
なんでこういう面白いことを思いつかなかったのか・・・。純粋にくやしい