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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

自己組織的な活性-抑制系における2つのMYBタンパク質がスポットのある色素パターンを生み出す

Baoqing Ding;...;Yao-Wu Yuan(2020.3, Current biology)[Two MYB Proteins in a Self-Organizing Activator-Inhibitor System Produce Spotted Pigmentation Patterns]

 

理由

どこかで見つけた論文

 

概要

多くの生物は、視覚的に魅力的な点や縞の色素パターンを示す。発生モデルによって、局所的な自己触媒的なフィードバックループと長距離の抑制フィードバックループが相互作用するときに、このような空間パターンが生まれることが予測されている。その単純性から、自己組織的なネットワークは自己活性的な活性化因子を1つだけ必要とする。これは活性因子を抑制し隣接細胞に拡散するような抑制因子も活性化する。しかしながら、この万能モデルに十分合うような分子的な活性因子と抑制因子は、色素系におおいてまだ見つけることが難しい。ここでは、ミゾホオズキ属におけるR2R3-MYB活性因子とR3-MYB抑制因子の特徴を述べる。実験的摂動と数理モデリングを通じて、これら2つのタンパク質の特性が、2つの要素反応拡散系における活性-抑制ペアに対応し、ミゾホオズキの花弁における離散的なアントシアニンの点の形成を説明することを示す。驚くことに、このパターンを崩壊させると花粉媒介者の訪問に影響する。よって、単純な活性-抑制系におけるわずかな変化が花における色素パターンの驚くべき多様性の進化に対する必須な原因であるようだ。

 

印象的な図

Figure 6. アントシアニンパターンの計算機シミュレーション

 

雑記

反応拡散系と花粉媒介者の関係まで述べたのは新しくていいな、と思ったが、模様と花粉媒介者の関係はこの論文じゃなくて先行研究で色々言われてたわけね。アブストの書き方からこの研究の結果かと思った。まぁいいけど。