これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

Rhoに基づく反応拡散系が木質道管における細胞壁パターンを支配する

Yoshinobu Nagashima;...;Yoshihisa Oda(2018.8, Scientific reports)[A Rho-based reaction-diffusion system governs cell wall patterning in metaxylem vessels]

 

理由

セミナーで話を聞いて面白かったので

 

概要

Rho GTPasesは細胞極性とパターン形成における重要な役割を果たす。ROPsは植物のGTPasesのRhoであり、植物における細胞壁パターニングに広く関係しているが、それらの活性の根底にある分子メカニズムは未知のままである。シロイヌナズナROP11は細胞膜ドメインを形成するために局所的に活性化し、細胞質表層微小管との相互作用を介して木質道管細胞におきて細胞壁孔の形成を直接的に行う。ここでは、細胞壁孔のパターン形成が反応拡散メカニズムを介するROP活性によって支配されていることを示す。遺伝的解析と再構成解析によって、ROP活性因子と不活化因子であるROPGEF4/7とROPGAP3/4がROP活性型ドメインの形成を制御しており、これらが順番に細胞壁孔のパターンを決定することを示す。数理モデルから、ROP活性サイクルが反応拡散メカニズムによってROPドメインを作成することが分かった。モデルによって、ROP11-とROPGEF4複合体の正のフィードバックと遅い拡散がROP活性ドメインを生み出すのに必要であることが示された。ROPGEF4は生体内で活性型ROP11と相互作用するダイマーを形成し、これがROP活性の正のフィードバックを与えうる。ROPGEF4は細胞膜上で非常に安定であり、ROP11拡散を阻害する。我々の研究から、ROPに基づく反応拡散系がROP活性型ドメインを自己生成し、それによって木部道管の孔パターンを決定する。

 

印象的な図

Figure4. 孔パターンのシミュレーション

 

雑記

かわいい女の子が実習の質問に来てくれるとついつい甘やかしながら教えてしまうな