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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

第1章 反応拡散方程式への誘い

三村昌泰(2006.2, 東京大学出版会)[非線形非平衡現象の数理 第4巻 パターン形成とダイナミクス]

 

理由

反応拡散の勉強

 

概要

1.1 初めに

拡散:物質の濃度が場所によって異なるとき、時間と共に濃度が一様になる現象

1952年 Turing「拡散は空間非一様化を促進する効果を持っている」

1952年 Hodgkin Hulxey 「拡散は波を作り出す効果を持っている」

1.2 反応拡散方程式系

拡散方程式(熱方程式):空間一様になる

拡散率Dが十分大きいときは反応項の解の挙動が重要になる。

Dが大きくない場合、ある空間非一様な平衡解に近づくことがある

1.3 双安定反応拡散方程式

1変数の反応拡散方程式の解のふるまいは時間が十分経った後は対応する常微分方程式のそれと同じになる。

2変数の場合は、迷路のような空間パターンを持つ平衡状態に収束する。

1.4 資源-消費者型反応拡散方程式

本巻の目的:消費と増殖という2つの相反する要因の相互作用と拡散という効果のバランスのもとで、どのような空間パターンを発生し、どのようなダイナミクスを呈するのか

第2章:自己触媒等温反応系

特に、時空間パターンのなかで特徴的に表れるスポットパターンの形成について述べ、1個のスポットが複数のポットに分裂するという自己複製機構が本質的な役割をしていることを明らかにする。

第3章:発熱反応拡散方程式系

多数のスポットの生成と消滅がダイナミックに繰り返す複雑な時空間パターンがある。このパターン発生の本質は、それらのパターンの基本的な役割を果たすリング波やパルス波が持つ反射機構であることを明らかにする。

第4章:

パルス波やスポット波が複数個あるとき、その相互作用を表す方程式が中心多様体理論から常微分方程式で表されることを示し、その縮約された方程式系を解析することから、パルス波や自己複製やスポット波の反射現象を示すことが可能となる

本巻では、単純な非線形偏微分方程式である反応拡散方程式系であっても、反応かと拡散のバランスが複雑な時空間パターンを発生させることを強調する

 

印象的な図 

図1.6 双安定反応拡散方程式の時間発展

 

雑記

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