これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

生体内における発生学を再度考える:工学とデータ科学と理論の間の相乗効果

Nicola Gritti;...; Vikas Trivedi(2020.11, Developmental Biology)[Rethinking embryology in vitro: A synergy between engineering, data science and theory]

 

理由

ラボセミナーで紹介されてた

 

概要

近年、人工多能性幹細胞は、生体内の後生動物の胚発生の異なる側面を模倣することが示された。このことから、合成発生学が設立された。これは、生体外細胞モデルを利用して、生体内で達成されないような発生過程を調べる分野である。最近、微小流体デバイスとバイオリアクターを含む工学由来の大量の技術が存在し、これは高情報量のオルガノイドを作成し培養する。同様に、生体内モデルを確立するデータ解析と深層学習技術を用いて合成系から定量的な情報を抽出する。最終的に、理論とデータ駆動の計算機モデリングを始め、オルガノイドのシステムレベルの理解を与え、さらなる実験によって検証される予測を生み出す。ここでは、工学、データ科学、理論モデルがどのように相乗効果を生み、胚発生の前例のない観点を提供するかに関する考えを議論する。これら3つの科学領域のそれぞれで、合成発生学のさらなる発展の道筋を舗装すると考えられる生体内・生体外システムからの例を議論する。

 

雑記

色々放り出して3か月ほど眠りたい

記憶の表現型:進化的発生記憶能力と頑健性

András Szilágyi;...;Eörs Szathmáry(2020.11, PLoS Comp. Bio.)[Phenotypes to remember: Evolutionary developmental memory capacity and robustness]

 

理由

ラボSlackに流れてきた

 

概要

進化的な学習から生じる発生的な記憶の可能性が発見されている。遺伝的制御と神経ネットワークを、原理と過程とふるまいにおける生産的なアナロジーの重要な問題を上げる類似的な形式によってモデル化される。多様な発生記憶や過去の表現型の形成や維持を調べ、記憶された過去の表現型の数ががどのようにネットワークサイズでスケールされるか、記憶はどの程度までヘブ様の規則の蓄積形態なのか、そしてこれらの発生的な"発生的な記憶痕跡"はネットワークの摂動(上品な劣化)に対してどのくらい頑健であるのか、を問う。神経と遺伝的な制御ネットワークの間のアナロジーは表面的ではなく、互いに分かれて発達してきた分野間の知識を繋ぐことができる。この驚くべき表現型放射の既知の例は、このような状況を部分的に説明しうる。

 

雑記

わ、わからへん

 

コストのかかる断片化下での多細胞生活環の進化

Yuriy Pichugin; Arne Traulsen(2020.11, PLoS Comp.)[Evolution of multicellular life cycles under costly fragmentation]

 

理由

ラボSlackに上がってたやつ

 

概要

生活環の魅力的な富は、単細胞性から多細胞単位の協調的な断片化まで生物で観察される。しかしながら、これらの進化を駆動する因子の理解はまだ限定されている。断片化のコストは、関連する集団の成長率に影響するため生活環の進化に大きな影響を与えることを示す。未分化の細胞集団で構成されたグループをモデル化し、この細胞群は断片化によって再現する。断片化の事象は、断片化減少、追加のリスクもしくは細胞減少のどれかによって発現するコストと関係する。このような断片化の導入コストは、可能な一連の生活環を大いに増加させる。これらの発見に基づいて、複数の子孫に分けることに関係する生活環の進化は、断片化のコストと直接関係しうる可能性がある。さらに、孤立した個人に比較して集合性が強く冷遇されるような状況下であっても、このコストの影響だけでも、最終的に多くの単一の細胞に分かれるような多細胞単位の出現を駆動するのに十分である。

 

雑記

PLoSは短くて助かる

チューリングと3Dバーテックスモデルを組み合わせることで、うねりや管状、分岐のある自律的な形態形成が再現される

Satoru Okuda;...;Mototsugu Eiraku(2018.2, Scientific Reports )[Combining Turing and 3D vertex models reproduces autonomous multicellular morphogenesis with undulation, tubulation, and branching]

 

理由

セミナーでちょっと出てきた

 

概要

本研究では、3次元(3D)空間における化学パターンを共役させた多細胞変形の計算機シミュレーションを示す。これらの側面を解決するため、新しい数理モデルを示す。ここでは、反応拡散系が単細胞レベルで分離して現れ、3Dバーテックスモデルと組み合わせる。パターン形成と変形の共役から生じる複雑な現象を調べるために、例として、活性因子-抑制因子系を用いて、個々の細胞の活性因子の濃度を細胞の成長率に変換した。このモデルが単純であるにも関わらず、単層の細胞小胞を成長させることで、共役系はうねりや管状、分岐のような形態のダイナミクスを与えた。興味深いことに、この形態的多様性は、パターンと変形間の時間スケールの違いに依存しており、ドメイン成長のある活性因子-抑制因子系における内在的なヒステリシスによって部分的に理解できる。重要なことは、このモデルは、変形や再構成、分裂、アポトーシス、分化、そして増殖のような多様な細胞のふるまいを共役する3D多細胞ダイナミクスに応用できる。よって、結果から、提案されたモデルの有意な利点と、3D空間におけるパターンと変形の共役する現象の時空間ダイナミクスの生理学的重要性が示された。

 

 

雑記

反応拡散も進化してんな

形態形成の波の遺伝的誘導と機械化学的な拡大

Anaïs Bailles;...;  Thomas Lecuit(2019.8, nature)[Genetic induction and mechanochemical propagation of a morphogenetic wave]

 

理由

波の特性を調べてて見つけた

 

概要

組織の形態形成は、アクトミオシン収縮によって駆動される細胞の形の協調的な変化から生じる。遺伝子発現のパターンはアクトミオシンの収縮性を制御することで細胞のふるまいを編成する。ここでは、ショウジョウバエの内胚葉におけるRho1とミオシンⅡ(MyoⅡ)活性化に関する2つのモードの制御を報告する。1つは、Gタンパク質共役受容体リガンドFogの局所的な転写を介して、空間的に制限された原基においてRho1-MyoⅡが誘導される。2つ目は、Rho1-MyoⅡ活性の組織スケールの波と細胞の陥入は、原基から離れて遠位的に進行する。波は、持続的な遺伝子転写を必要とせず、制御されたFog輸送に支配されていない。代わりに、MyoⅡ阻害によって、Rho1活性と拡大が阻害されたことから、MyoⅡによって駆動される機械的なフィードバックが解明された。MyoⅡ活性と細胞のそれぞれの列における陥入は、インテリング、頂端拡大、MyoⅡ活性と次の列での陥入によって調節される卵黄膜への接着を駆動する。よって、内胚葉の形態形成は、局所的な転写開始と機械的に駆動される細胞変形の周期から生じる

 

雑記

なんか集中力が低い日だ

興奮性の典型的なチャネルはない:免疫細胞におけるLタイプのチャネル

Bennett Davenport;...;Anne-Laure Perraud(2015.7, Front. Immunol.,)[Signature channels of excitability no more: L-type channels in immune cells]

 

理由

免疫と興奮系の関係を調べていて見つけた

 

概要

Ca2+が普遍的なメッセンジャーであるという普遍的な概念はよく確立しているが、Ca2+シグナリングの制御メカニズムは電気的な興奮性の線に沿って分けられると考えられている。しかしながら、分子生物学やゲノミクスにおける最近の進歩から免疫細胞のような非興奮性細胞も、元々考えられていたような興奮性の細胞のものとほぼ変わらない幅広く多様なイオンチャネル群を発現するという証拠が示された。イオンチャネルとトランスポーターは免疫反応の全ての面に関与している。これは細胞分化や活性化への発生そして移動、抗体分泌、ファゴソーム成熟、もしくは殺菌薬の血管輸送のような作用機能まで多岐にわたる。これは、TRPチャネルファミリーのものと、電位もしくはCa2+開閉式もしくはK+またはNa+チャンネルと同様に、予期せぬことに、元々興奮性の典型的な分子と考えられているCaV1サブファミリーの電位開閉式LタイプCa2+チャネルの要素も含む。この論文では、免疫の文脈でのCaV1 Lタイプのチャネル機能の分野で行われた最近の観察の概要と、Bリンパ球におけるこれらのチャネルを研究するなかで獲得した結果も示す。

 

雑記

心のなかに猫を飼うことで少し心穏やかに暮らせる。ライフハック

皮質の自然免疫反応は、発作を引き起こす局所的な神経興奮性

Krista M. Rodgers;...;Daniel S. Barth(2009.6, Brain.)[The cortical innate immune response increases local neuronal excitability leading to seizures]

 

理由

免疫と興奮系の関係を調べていて見つけた

 

概要

脳のグリア細胞は、ニューロンの5倍の数存在し、てんかん発作における潜在的な関与に注目が集まっている。ミクログリアとアストロサイトは、炎症性自然免疫反応に関与し、発作を頻繁に引き起こす脳障害の監視の役割を持つ。よって、発作は、脳免疫反応によって引き起こされるという興味深い提案が出てきた。実際、最近の証拠から、てんかんの実験モデルにおける発作の閾値を下げる自然免疫反応を強く示したが、生体内での発作の開始における独立的な役割を示すという証拠はない。ここでは、皮質の自然免疫反応は、焦点的な発作を引き起こす脳の興奮性を増加させることを示す。皮質にリポポリサッカライドを使うと、Toll-like受容体4(TLR4)に結合し、場の電場電位の強さを3倍増幅し、局所的なてんかんの放電を生み出す。これらの効果は、インターロイキン1受容体アンタゴニストを事前処方することで妨げられる。結果から、自然免疫反応が急性発作にどのように関与するかが示された。これは、中枢神経系の感染や脳障害と関係する危険なシグナルのTLR4検出に応答したインターロイキン1の放出を通じてニューロンの興奮性が増加する。これらの結果から、てんかん原生における自然免疫の重要な役割が示唆され、ヒトにおける発作疾患の研究と治療における、活性化したグリアから放出される炎症メディエーターとTLR4の薬理的阻害を通じたグリアの阻害が注目された。

 

雑記

ウイスキーが好きだからウイスキーの産地に住みたい、と思うのに寒冷地ばかりで、暖かいところに住みたい、という条件と矛盾してしまう。なんでウイスキーの有名な国は寒いところばかりなんですか?